01. キングスネークの憂鬱

泉原さん

ねえ、1曲目の「キングスネーク」聴いた!?Trailerで流れてたの、やっぱりイントロだったね!私の予想、大正解じゃん!

遠鷺さん

あー、それ私も思った!「これイントロかな?」って言ってたもんね。でもアルバムの1曲目として聴くと、あの「溜め」が効いててヤバくない?

泉原さん

そう!あのイントロが急に止まってさ、一瞬の「間」のあとに歌い始めるの!あれ、不意打ちすぎてめちゃくちゃカッコいいんだけど!

遠鷺さん

わかるわ、あの無音の瞬間に一気に引き込まれるよね。あと、2番の「キングスネーク」の歌い方!あれ最高じゃない?タイトルにもなってるし、一度聴いたら耳から離れない。

泉原さん

言い方っていうか、あの独特の節回しが印象的だよね。というか「憂鬱」ってタイトルだから、もっと暗い曲かと思ってたんだけど……。

遠鷺さん

ね。普通「憂鬱」って、どんよりして動けないイメージじゃん. でもこの曲、後半に向けてどんどん激しい衝動に変わっていくのが凄いわ。

泉原さん

そうそう!「憂鬱だからこそ、外に吐き出せ!」みたいな。あの「動き出せ!踊り出せ!解き放て!」の三連発、聴いててめちゃくちゃ清々しくない?

遠鷺さん

あの畳みかける感じね!ただの励ましじゃなくて、内側から爆発するような鼓舞の仕方で、こっちまで熱くなる。

泉原さん

でしょ!?後半の盛り上がりも本当にやばいし。最後のアウトロ、あんなに叫んでシャウトして終わっていく感じ……なんか、ちょっと「Worlds end」っぽさも感じて鳥肌立った!

遠鷺さん

あ、それ私も感じた!あの突き抜けていく疾走感ね。1曲目からこんなにフルスロットルで来られると、アルバム最後まで持つか心配になるわ(笑)。

02. Again

泉原さん

2曲目の「Again」さ、これドラマ主題歌なんだよね。ミスチルのドラマ曲って、2曲目に名曲がくる法則ない?「Brand new planet」とか「HANABI」とかさ。

遠鷺さん

あー、言われてみれば確かに!アルバムの序盤で一気にギアを上げてくるあのポジションね。泉原さん、ドラマの『リブート』はもう見たの?

泉原さん

ううん、まだ!っていうかさ、タイアップ曲ってドラマのイメージが強く焼き付いちゃうでしょ?タイアップが嫌なわけじゃないんだけど、最初は純粋に「ミスチルの新譜の一曲」として、真っさらな状態で味わいたいっていうか……ちょっとしたこだわり。

遠鷺さん

あ、わかる。前作の『miss you』なんてタイアップもMVも一切なかったから、13曲全部が「アルバムで初めて出会う曲」って感覚だったもんね。今回はまた楽しみ方が違うよね。

泉原さん

そうなの!で、この「Again」だけどさ、歌詞の語尾がほとんど「〜だけ」で統一されてるの気づいた?最初は「傷つくだけ」とか「すり減らすだけ」とか、とにかくネガティブな言葉が並んでてさ。

遠鷺さん

うん、もう意味ないからやめよう、みたいな投げやりな雰囲気さえ感じるよね、最初は。

泉原さん

それがさ、曲が進んで繰り返していくうちに、だんだん前向きな意味に変わっていくのが凄いの。特にサビの「いつになく笑っていれたかな」ってフレーズ、めちゃくちゃ考えさせられない?

遠鷺さん

そこね。「いつも」とか、それこそ「innocent world」の「いつの日も」みたいな使い慣れた言葉じゃなくて、「いつになく」……かぁ、って。

泉原さん

そうきたかー!って思ったよね。やるな、桜井さん!

遠鷺さん

泉原さん、どの立場で言ってんの(笑)。

泉原さん

あはは、ほんと誰目線だよって感じだよね(笑)。でもさ、この曲の「それでも」っていう転換が本当に深くて。今は辛いことが多くて、生きてる意味なんて見いだせなくても、ただただ毎日を繰り返すこと……その「変わらない生活」を続けていくこと自体が、実は一歩ずつ前に進んでるってことなのかな、って。

遠鷺さん

……深いね。何気ない日常を肯定してくれる感じがして、ちょっと泣けてきた。

泉原さん

でしょ?……あとさ、遠鷺ちゃんこれ最後に言わせて!SNSで公式が出してた歌詞見た時から好きだったんだけど、「君が 君が、、」って読点が2つつながってるの、気づいた!?あの絶妙な「間」の表現、マジでポイント高いんだけど!

遠鷺さん

そこまでチェックしてるのは、さすがに泉原さんくらいだよ(笑)。でも、そのこだわりは嫌いじゃないけどね。

03. Saturday

泉原さん

ねえ遠鷺ちゃん、今回のライブタイトル『Saturday in the park』じゃん!アルバム名じゃなくて曲名の一部がツアー名に入るのって、『Mr.Children Tour 2009 ~終末のコンフィデンスソングス~』以来じゃない?

遠鷺さん

あー、懐かしい!あの時も曲名は「終末のコンフィデンスソング」で、ツアー名は「〜ス」がついてたよね。今回も曲名は「Saturday」だけど、ツアー名には「in the park」が付いてるし、その絶妙なリンクのさせ方がミスチルっぽい!

泉原さん

でしょ?よく気づいたね、遠鷺ちゃん!あとさ、洋楽でズバリ『Saturday in the Park』って曲があるんだけど、今回の「Saturday」のイントロから間奏、サビまで、メロディーとか音がその曲とそっくりらしいよ。

遠鷺さん

えっ、ちょっと待って。泉原さん、それって……パクリってこと!?

泉原さん

いやいや、違うでしょ!そこはもう「オマージュ」というか、あえて寄せてる遊び心的なやつだよ。桜井さんのリスペクトでしょ。

遠鷺さん

あ、そっちか(笑)。びっくりした. そんなに似てるなら、後で本家の方も聴いてみよっと。

泉原さん

ぜひ聴き比べてみて!あとさ、最後の「僕らの世界はこんなにも複雑で簡単だ」って歌詞、これもう大好きすぎて、座右の銘にしたい。

遠鷺さん

あそこ、いいよね。あんなに色んなことを歌ってきて、最後は「簡単だ」って言い切るあたりが、今のミスチルの境地って感じがする。

泉原さん

だよね。あと犬の鳴き声!「わんわん」って声が入ってるの、めちゃくちゃ良くない?MVのワンちゃんも可愛すぎて悶絶したんだけど。

遠鷺さん

泉原さん、ワンちゃんに弱いもんね(笑)。でも主人公の部屋での引きこもり具合を見てると、ちょっと「SUNRISE」を思い出さない?

泉原さん

あ!それ私も思った!ついつい過去の楽曲との共通点とか繋がりを見つけたくなっちゃうのが、歴長いファンの性だよね(笑)。

04. ウスバカゲロウ

泉原さん

4曲目は「ウスバカゲロウ」。私、イントロ聴いた瞬間に「あ、これ一生好きだわ」って確信しちゃった。

遠鷺さん

判断が早すぎる(笑)。でも、泉原さんがそう言うのもわかるよ。今回のアルバム曲の中で一番長いし、聴き応えあるよね。最近のバラードの中では、私もこれが一番好きかも。

泉原さん

でしょ!?……ところでさ、ウスバカゲロウって何?カゲロウ?まず「カゲロウ」自体がよくわかんないんだけど。

遠鷺さん

そこから!?(笑)タイトルのインパクトはすごいよね。完全に虫の名前だし。

泉原さん

だよね。私だったら、もっと分かりやすく「あの夏の日の後悔」とかにするけどなー。

遠鷺さん

いや、それはダサいわ! 桜井さんがそんなストレートなタイトルつけるわけないでしょ(笑)。

泉原さん

ひどい!(笑)でもさ、今まで「バッタ」とか「スパイダー」とか歌詞に出てきたけど、ウスバカゲロウってその中でも一番マイナーな生き物じゃない?

遠鷺さん

確かに、急に専門的な名前が来た感じはするよね。

泉原さん

そうなの。だから、みんなの感想が気になってSNSで検索しようと思ってるんだけど……もし検索して、リアルな虫の見た目の画像とか出てきたらどうしようって怖くて。

遠鷺さん

大丈夫だよ(笑)。みんな曲の感想ばっかり呟いてるから。そんなにビクビクしなくても大丈夫だって。

05. Glastonbury

泉原さん

次の「Glastonbury」だけどさ。これイントロ聴いたとき「PIANO MAN」に似てるなーって思ったんだけど、どう?

遠鷺さん

えー、そうかな?ちょっと意外かも。あとでじっくり聴き比べてみるね。

泉原さん

で、問題はこの「グラストンベリー」よ。何これ?……なんか甘いの?

遠鷺さん

スイーツじゃないと思うよ(笑)。えーっと、これね……(スマホで調べながら)あ、イギリスの有名な野外フェスの名前みたい。2002年のライブとかが伝説なんだって。

泉原さん

ふーん。有名だか何だか知らないけどさ!2002年ならミスチルの『Mr.Children CONCERT TOUR POPSAURUS』の方が絶対すごいから!

遠鷺さん

いや、世界的なフェスと張り合わなくていいから(笑)。あれ2001年だし。

泉原さん

あ、そっか……。……ところで遠鷺ちゃんって、最初は歌詞読むタイプ?私は最初、何も見ないで音だけで聴く派。2周目でやっと歌詞カード読みながら聴く感じなんだよね。

遠鷺さん

あ、私もそうかも。最初は音の気持ちよさを優先したいよね。

泉原さん

そうそう!私、実はこのアルバムでこの曲が一番好き. ビビッときたんだよね。『miss you』のときの「LOST」くらい聴き倒すつもり!

遠鷺さん

おー、それは相当だね(笑)。でも確かに、この曲って不思議な魅力があるよね。

泉原さん

でしょ?サビで「手を伸ばしても届かない場所がある」って歌ってて、言葉だけ見ると若干ネガティブに思えるんだけど……歌い方がすごく楽しげで、全然悲観的じゃないんだよね。

遠鷺さん

わかる。切ない現実を歌ってるはずなのに、曲全体から溢れるエネルギーがすごいというか。悲しい歌を明るく歌う、あのミスチル節が炸裂してるよね。

06. 禁断の実

泉原さん

ねえ、次の曲さ……もしかしてこの「禁断の実」って、さっきの「なんとかベリー」のことだったりする?

遠鷺さん

だから、グラストンベリーは果物じゃないってば(笑)。フェスの名前だってば。

泉原さん

あ、そっか(笑)。でもさ、この曲のモチーフになってるアダムとイブって、あれでしょ?旧約聖書だっけ?

遠鷺さん

お、泉原さん、意外とそういうの詳しいね。

泉原さん

ふふん、それくらいは知ってるんだ。ほら、アルバムの『IT'S A WONDERFUL WORLD』のときも、そのあたりのモチーフって多かったじゃん?だからちょっと聞き覚えがあったんだよね。

遠鷺さん

あー、確かにあの頃の曲とか、アルバム全体の空気感にそういう要素あったね。よく覚えてるわ。

泉原さん

でしょ?それにしてもさ、ミスチルの楽曲ってもう300曲以上あるわけでしょ?それなのに、そのどれとも被らない、また新しい「オリジナル」を作れちゃうのって本当にすごいよね。

遠鷺さん

ほんとそれ。今回も「あ、また新しい扉開けたな」って感じがするもん。30年以上やってて、まだ「どれとも違う曲」が生まれるんだから、やっぱり底が知れないよね。

07. 平熱

泉原さん

さて、全13曲だからこれでちょうど折り返しだね。

遠鷺さん

あ、本当だ。もう半分か、早いな。

泉原さん

この曲もさ、タイトルの付け方が絶妙じゃない?「平熱」って。遠鷺ちゃんだったら何てつける?

遠鷺さん

えっ、私?(笑)うーん……。

泉原さん

私だったら「違う宇宙にいるんだね」にする!

遠鷺さん

あー、歌詞に出てくるフレーズね。でもそれ、ちょっと壮大すぎない?(笑)

泉原さん

えー、いいじゃん!でもやっぱり「平熱」っていう言葉のチョイス、表現がすごいよね。隣にいるのに、別の宇宙にいるみたいに遠い感じ。

遠鷺さん

わかる。燃え上がるような恋の情熱が冷めてしまった状態を「平熱」って呼ぶセンスね。冷たすぎず、熱すぎずっていうのが逆にリアルで切ない。

泉原さん

そうなの!あと、彼女が「自由でいよう」って同じ言葉を2回言ってるけど、それに対する「僕」の答えが1回目と2回目でそれぞれ違っていて……。

遠鷺さん

あそこね……。同じ言葉なのに、受け取り方も答えも変わっちゃうっていう。

泉原さん

もう最高!私、やっぱりミスチルの失恋ソング大好き。ミスチルでしか聴けない「味わい」ってあるよね。うまく言葉にできないんだけど、「others」とか「渇いたkiss」とか「Forever」みたいな、あの感じ!

遠鷺さん

……いや、わかるよ。ただ悲しいだけじゃなくて、心の奥のザラついた部分を撫でられるような感覚でしょ?

泉原さん

そうそう、それ!やっぱり遠鷺ちゃんは話がわかるわー!

08. 空也上人

泉原さん

さて、いよいよ後半戦だね!……ところでこの「空也上人」、遠鷺ちゃん読めた?私、最初全然読めなかったんだけど。漢詩か四字熟語、それとも故事成語?みたいな。

遠鷺さん

あはは、確かに字面の圧がすごいよね。これ、実在したお坊さんの名前、つまり人物名なんだよ。

泉原さん

え、お坊さんなの?……ちょっと解説して!

遠鷺さん

ほら、教科書とかで見たことない?口から小さい仏様が6体くらい、にょろにょろって出てる有名な彫像。六波羅蜜寺にあるやつ。

泉原さん

あ!あのシュールなやつ!あれ空也上人だったんだ。

遠鷺さん

そうそう。あの仏様は、彼が唱えた「南無阿弥陀仏」の6文字が、一音ずつ阿弥陀如来の姿になったのを視覚化してるんだって。

泉原さん

へぇー!「声が形になる」ってことか。深い……。でもさ、そんな渋いタイトルなのに、曲の中で「思い通り」と「今日もGood Morning」を同じメロディに乗せて歌っちゃうの、聴くまでは信じられなくない!?

遠鷺さん

本当だよね(笑)。全然違う言葉なのに、パチッとはまる感じ。相変わらず桜井さんの韻の踏み方は予想外すぎて、聴いてて楽しいわ。

泉原さん

でしょ?あとサビの「思い通り 願い通り いって何が楽しい!?」ってところ!リズムが気持ちいいのもあるけど、言ってる内容にハッとさせられちゃった。

遠鷺さん

あそこ、刺さるよね。

泉原さん

そうなの。何もかも上手くいくなんて、結末のわかってる簡単すぎるゲームみたいで、逆にツマラナイよねって。逆転の発想っていうか。

遠鷺さん

確かにね。思い通りにいかないからこそ、必死に「Good Morning」って言いながら毎日戦えるのかもね。

09. Stupid hero

泉原さん

ねえ、9曲目のこれさ。歌い出しの「悩んでるか? 迷ってるか?」って問いかけ、最高すぎない!?

遠鷺さん

あー、あそこね。桜井さんのあのトーンで言われると、歌っていうより普段の会話で直接聞かれてるみたいでドキッとするよね。

泉原さん

そうなの!……ところでさ、この「stupid」ってどういう意味?

遠鷺さん

え、泉原さんのことだよ?(笑)

泉原さん

えっ!?どういうこと? 私のことなの?

遠鷺さん

えー、秘密(笑)。にしし……。

泉原さん

ちょっと、気になるじゃん!教えてよー!

遠鷺さん

あはは。……あ、そういえばさ、この曲「stupid」は歌詞に出てくるけど、「hero」って言葉は一回も出てこないよね。なんで曲名につけたんだろう。

泉原さん

あ、話そらした!……まぁいいや。確かに「敵」って言葉は出てくるけど、ヒーローは不在だね。まだ一回聴いただけじゃよくわかんないや。もっと聴き込んだら見えてくるかな。

遠鷺さん

そうだね。でも今回のアルバム, 全体的に聴きやすい曲が多い気がしない?『SUPERMARKET FANTASY』のときみたいに、構えずにふとした瞬間に聴きたくなるっていうか。

泉原さん

わかる!重すぎないんだよね。最近のミスチル、曲の構成も変わってきたよね。昔みたいに「Aメロ・Bメロ・サビ」が2回あって、Cメロ挟んで大サビ……みたいなオーソドックスな形にこだわらなくなってるし、一曲一曲が短くなってる気がする。

遠鷺さん

時代の流れに合わせて、あえて削ぎ落としてるのかもね。SNSの告知の仕方もそうじゃん。ショート動画とか、あんなに発売前にマメに更新するの初めてじゃない?

泉原さん

本当だよね。時代に合わせてどんどん変わっていくんだなぁ……。

遠鷺さん

まぁ、「変わらないことがあるとすれば 皆変わってくってこと」なんじゃない?

泉原さん

おっ、出た!「進化論」!上手いこと言ったね、遠鷺ちゃん!

10. Nowhere Man 〜喝采が聞こえる

泉原さん

ねえ遠鷺ちゃん、10曲目のこれ!「Nowhere Man」って、あのビートルズの名曲と同じタイトルじゃん。

遠鷺さん

えっ、ちょっと待って……これって、またパクリ!?

泉原さん

あはは、遠鷺ちゃん落ち着いて!(笑)だから違うってば。サブタイトルに「〜喝采が聞こえる」って付いてるし、これも確信犯的なオマージュでしょ。

遠鷺さん

あ、そっか……びっくりした(笑)。でも実際に聴いてみたら、「Saturday」のときみたいに曲調までそっくりってわけじゃなかったね。普通にめちゃくちゃいい曲で安心した。

泉原さん

ね。ビートルズのほうは邦題が『ひとりぼっちのあいつ』なんだけど、この曲も最後に「ひとりぼっち」って歌詞が出てくるし、ちゃんとリスペクトを感じるよね。

遠鷺さん

へぇー、そうなんだ。……あ、調べてみたんだけど、ビートルズのこの曲ってジョン・レノンが書いたんだって。曲作りに詰まって「自分はどこにも向かっていない(Going nowhere)」って感じたところから生まれたらしいよ。

泉原さん

ジョン・レノンかぁ。……あれ?ジョン・レノンって、今回のアルバムのどこかの曲に出てこなかったっけ?

遠鷺さん

えーっと……あ!8曲目の「空也上人」だ!歌詞に名前が出てきたよね。

泉原さん

あ、本当だ!すごい、伏線回収じゃん!

遠鷺さん

じゃあ、さっきの曲で聞いてたジョン・レノンの曲がNowhere Manってこと?こういう仕掛けがあると、アルバムとしての面白さが倍増するよね。

泉原さん

ほんとだね。後半戦の曲たちに、一本の太い線がスッと通った感じがする。

遠鷺さん

バラバラに見えて、実は全部繋がってる……。やっぱりミスチルのアルバム構成って、最後まで一筋縄じゃいかないわ。

11. 産声

泉原さん

ついにきた!表題曲の「産声」!あのサビの「えーーーーー!!」っていうシャウト、最高すぎない!?聴いてるこっちまで産声あげそうになったんだけど!

遠鷺さん

泉原さん、落ち着いて(笑)。でもあのシャウトは魂震えるよね。一気に視界が開ける感じ。

泉原さん

でしょ!?……「産まれては消える命の意味を♪」

遠鷺さん

……それは「Wake me up!」ね。

泉原さん

あ、間違えた(笑)。えーっと、「産まれては消える命のリレー♪」だ!

遠鷺さん

そうそう、それ。

泉原さん

それでこそ僕に相応しい人生を、って……。今日生きてること、それだけで奇跡なんだろうなぁって、歌詞がストレートに響いてくるんだよね。

遠鷺さん

50代後半になった桜井さんがこれを歌うからこそ、言葉にさらに重みが足されてるよね。

泉原さん

え、もうそんな年齢なんだっけ!ライブ映像とか見てるとパワフルすぎて、もっとずっと若いイメージだった。

遠鷺さん

本当にね。でも、その年齢で「瞬く間に過ぎる時間」を歌う説得力がすごすぎるんだよ。この曲については、もうこれ以上は語らなくてもいいかなって思うくらい完成されてるよね。

泉原さん

わかる。一日一日を大切に生きようって素直に思える。何をやっても上手くいかない日があっても、今日こうして生きてること自体が、もう大勝利の奇跡なんだよね。

遠鷺さん

……ほんとにそうだね。あ、そういえばMVは見た?

泉原さん

見た見た!めちゃくちゃ賑やかでカラフルで、圧倒されちゃった!

遠鷺さん

最近、生成AIとか流行ってるけどさ、ああいう熱量のある映像を見ると、AIには絶対作れない「血の通った作品」だなって思った。

泉原さん

だよね。結局、人間の生身の表現っていうか、芸術には敵わないんだよ。まさに「産声」って感じのエネルギーだった!

12. Umbrella

泉原さん

ねえ、11曲目の興奮がすごかったけど、次の「Umbrella」もいいよね……。ちなみに遠鷺ちゃん、「アンブレラ」の意味はわかる?

遠鷺さん

泉原さん、バカにしないでよ!(笑)傘でしょ? さすがにそれくらいはわかるわ。

泉原さん

あはは、ごめんごめん(笑)。でもこの曲、アルバムの後半をじわじわ盛り上げてくれるよね。こういう優しく包み込んでくれるような曲、私大好きなんだよねー。

遠鷺さん

わかる。桜井さんのこの歌い方、渋くてかっこいいよね。なんか……「雨の日のパレード」の続きを聴いてるみたいな感覚にならない?

泉原さん

あ!それだ!その空気感あるよね。……ただ、歌詞の意味が実はあんまり掴めてないんだよね。比喩が多くて、一回聴いただけだと「ん?」ってなっちゃう。

遠鷺さん

確かに、ストレートな表現じゃないもんね。何回も繰り返し聴いて、ようやく少しずつ核心が見えてくるタイプというか。

泉原さん

でも、そういうシンプルじゃないところもいいよね。一筋縄じゃいかないからこそ、「この表現ってどういう意味なんだろう?」って考えさせてくれるし、その時間も楽しい。

遠鷺さん

そうだね。たとえば、「隣にいた君は冷たい雨を避けれずに濡れていた」っていうフレーズ。これ、物理的な本当の雨に濡れてたってことじゃないと思うんだよね。

泉原さん

うーん、やっぱり心の雨……とか?……あー、やっぱりもう1回聴こ!何回もリピートして、自分なりの答えを見つけたいわ。

遠鷺さん

いいよ、私ももう一回付き合う。この深みにハマっていく感じ、まさにミスチルだよね。

13. 家族

泉原さん

ついに最後!13曲目だね。ここ最近の『重力と呼吸』とか『SOUNDTRACKS』が10曲入りだったから、13曲もあるとすごくボリューム感あるよね。

遠鷺さん

確かに、たっぷり「ミスチル」を浴びたって感じがする。でもこの「家族」のイントロ、聴いた瞬間に「花 -Mémento-Mori-」が始まるのかと思っちゃった。

泉原さん

あー、わかる!あのギターのジャカジャカした感じね、ちょっと重なるよね。それにしてもタイトルよ……「家族」って、ストレートすぎて凄くない?

遠鷺さん

ね。というか、歌詞カード見た?「家族」の漢字の中に、それぞれ「子」っていう字が隠れるようにデザインされてるんだよ。

泉原さん

えっ、そうなの!?全然気づかなかった、マニアックすぎるよ遠鷺ちゃん!(笑)……私さ、最後は「おはよう」とか「あんまり覚えてないや」みたいな温かい曲が来るのかなって予想してたんだけど、全然違った。

遠鷺さん

いい意味で予想を裏切られたよね。でも、この終わり方もすごくいい。

泉原さん

うん。なんて言うか、「終わり」の雰囲気がすごくて……長編映画のエンドロールを見てる気分. 最後に「ふぅーっ」て深く息を吐き出すような、あの感じ。

遠鷺さん

わかるわ。歌詞も、お父さんのことは書かれてないけど、お母さんだけが出てくるよね。自分ももう若くないこととか、お父さんがもういないのかな……って背景を想像させられる。

泉原さん

そうそう。お父さんはもう亡くなっていて、今は母だけが生きてる……みたいな、ちょっとした「妄想」というか、深読みしちゃうよね。雰囲気的には「独り言」に近いかな?

遠鷺さん

あー!映画の『Mr.Children REFLECTION』の最後に「独り言」が流れてたあの感じね!あれに近いエモさがあるの、すごいわかる。

泉原さん

でしょ!?ライブの最後にこの曲が演奏されて、そのままエンドロールが流れたら……想像しただけで泣いちゃうんだけど。

遠鷺さん

……間違いなくエモいね。なんだかこの曲聴いてたら、急にお母さんに会いたくなっちゃった。

泉原さん

……わかる。私も今度、実家帰ろうかな。

全曲聴き終えて

泉原さん

……ふぅ。終わっちゃったね、遠鷺ちゃん。13曲、一気に旅してきたあとの達成感と、終わっちゃった寂しさが同時にきてるんだけど。

遠鷺さん

わかるよ、泉原さん。最後が「家族」で終わるから、なんか一本の長い映画を観終わったあとの、あの独特な余韻だよね。

泉原さん

そうなの!今回のアルバム、全体的にすごく「今のミスチル」って感じがした。無理に若ぶるわけでもなく、かといって枯れてるわけでもない……なんて言うか、「今、この瞬間を生きてる!」ってエネルギーが凄かった。

遠鷺さん

まさに『産声』だね。一曲目の「キングスネーク」で荒々しく始まって、最後は「家族」で静かに、でも深く着地する。一筋縄ではいかない曲も多かったけど、一人の人間の人生を覗き見したような濃密さがあった気がする。

泉原さん

ね!『SUPERMARKET FANTASY』みたいなキャッチーさもあれば、『miss you』みたいなヒリヒリする内省的な部分も混ざってて。でも、どの曲も「あ、これ今の私に必要だった言葉だ」って刺さる瞬間が必ずあるんだよね。

遠鷺さん

泉原さん、さっき「ウスバカゲロウ」で一生好きって確信してたもんね(笑)。

泉原さん

あはは、そうだった!でも「Glastonbury」も捨てがたいし、「Again」の歌詞の深さももう一回噛み締めたい……。結局、全曲リピート確定なんだよね。

遠鷺さん

30年以上やってて、まだ「新しい」を更新し続けてるのが本当に恐ろしいよね。これ、ライブのセトリに入ってきたらどうなるんだろう。

泉原さん

ねえ、想像しただけで鳥肌なんだけど。特に「産声」のあのシャウト、生で聴いたら確実に泣き崩れる自信あるよ。

遠鷺さん

あはは、泉原さんのことだから、号泣してて曲の半分くらい記憶になさそう(笑)。

泉原さん

ひどい!(笑)……でも、本当にそうかも。……よし、決めた!私、このアルバム聴き込んで、次のライブまで全力で生き抜くわ。

遠鷺さん

お、気合入ってるね。……じゃあ、とりあえず手始めに、もう一回1曲目から聴き直さない?今度は歌詞カードをじっくり読み込みながら。

泉原さん

賛成!