IT’S A WONDERFUL WORLD
『IT'S A WONDERFUL WORLD』~10thアルバム~
たとえばそれが街で流れたときに、聞いた人が聞く意識もなく聞こえてきて、それがその人の中で育っていくっていう、それがポップの素晴らしさだなと思った。
『overture』~そして蘇生へ~
「ノイズみたいなところから音楽が再生していくみたいなイメージは作れないでしょうか?」という桜井の提案によって作られたインストゥルメンタル。小林単独の作曲。
『蘇生』~何度でも 何度でも 君は生まれ変わって行ける~
アルバム『It's a wonderful world』の1曲目を飾った……っていうか1曲目以外には収まりそうもないほどにダンサブルなポップ・チューン。タイトルからは、メンバーの心意気も読み取れる。
『Dear wonderful world』~無駄なことなど きっと何一つとしてないさ~
15曲目「It's a wonderful world」のサビがないバージョン。最後の部分は実際に桜井が近所のカフェで録音しに行ったもの。アウトロに「あの、カプチーノのお客様。お待たせ致しました」というウェイトレスの声が入っている。
『one two three』~もう 後ろなんか見ないぜ 1.2.3!~
ミディアム・テンポの陽気なシャッフル・ナンバー。間奏ではアントニオ猪木のセリフが流れるが、これはアントニオ猪木の言葉に感動した桜井和寿が、本人に許可をもらい、引退試合のビデオから録音したもの。
『渇いたKiss』~桃色のケロイドに変わればいい~
ミスチルには珍しいメロウな曲調で、ブラスをフィーチャーしたAOR風ナンバー「クラスメイト」を連想させる。恋愛の真実を抉り出した残酷な歌詞で“ポップス”とは程遠い悲痛なナンバーになっている。
『youthful days』~胸の鐘の音を鳴らしてよ 壊れるほどの抱擁とキスで~
ラヴ・ソングの形を借りて、青春の痛みや悲しみを浮き彫りにする、桜井和寿節が炸裂した疾走感あふれる感動的なナンバー。10代の頃のだらしなげな“匂い”さえ喚起させる歌詞の生々しさが秀逸。
『ファスナー』~昨日 君が自分から下ろしたスカートの~
ウルトラマンの背中にファスナーを見つけてしまう悲しさを人間関係にあてはめた歌詞がユニーク。2003年には、映画『Jam Films 2』で、この曲にインスパイアされた短編「FASTENER」も制作された。
『Bird Cage』~あなたの溜め息で世界が曇るはずないのに~
なかなかうまくいかない恋人同士を鳥の番(つがい)に例えて歌った楽曲。明日から僕ら晴れて自由の身だ/鳥篭のドアはもう開いてるんだ/だから 遠く 遠くへ
『LOVEはじめました』~去年よりおいしくできました~
アルバム『It's a wonderful world』に収録されたヘヴィなロック・ナンバー。“冷やし中華はじめました”の“冷やし中華”を“LOVE”に置き換えたシニカルな歌詞が面白い。随所に入る「LOVEはじめました」という機械合成のような声は、桜井の仮歌をエフェクト処理したもの。
『UFO』~迷いも苦しみもない世界へと誘う~
アルバム『It's a wonderful world』に収録されたアップ・テンポなポップスだが、「そこまで言わなくても」と思うほど、歌詞の歪み加減がものすごい。歌詞だけを読むと、とても悲しい気持ちになる。
『Drawing』~絵に描いたとしても時と共に何かが色褪せてしまうでしょう~
最も崇高でありながら最も不確かな存在である“愛”を描こうとする行為の虚しさ。ラヴ・ソングを書き続ける桜井和寿のジレンマが“Drawing”に例えられ巧みに表現されている。壮大なエンディングが感動的。
『君が好き』~僕が生きるうえでこれ以上の意味はなくたっていい~
TVドラマ『アンティーク』の主題歌となった、ミスチルらしいほがらかなラヴ・ソング。桜井和寿の得意とするナイーヴな感情表現がストレートに表現された歌詞が秀逸で、つい口ずさんでしまう。
『いつでも微笑みを』~もし僕がこの世から巣立って逝っても~
アルバム『It's a wonderful world』に収録された、まさにアルバムのための曲といった小品。ミスチルのどの曲にも似つかない、不思議なテイストを持った曲に仕上がっている。
『優しい歌』~愛する喜びに満ちあふれた歌~
ストレートでシンプルな演奏で奏でられる直球の青春賛歌。「甘えていた鏡の中の男に今復讐を誓う~」といった自己批判的な歌詞も、不思議なほどまっすぐ万人の心に溶け込んでくる。まさに優しい歌。
『It's a wonderful world』~あなどらないで僕らにはまだやれることがある~
アルバム『It's a wonderful world』のメッセージが凝縮されたようなアルバムのテーマ曲。ポップスにおける永遠のテーマとも言える“この素晴らしき世界”を実にユニークに綴っている。