深海
『深海』~5thアルバム~
『深海』と『BOLERO』は3Dメガネの青と赤のようなもの。両方揃って初めて立体に見える。このアルバムが売れなくても、それは僕のせいでもないしレコード会社のせいでもないっていう。それは大衆のせい。だからこれが売れなくても全然悲しくないっていうかそういう気持ちです。
『シーラカンス』~君はまだ深い海の底で静かに生きてるの?~
アコースティックギターのゆったりとした歌からひずんだギターリフに突入するロックナンバー。本作発売の時のCMソングとして使用された楽曲。次曲と繋がっている。いったいシーラカンスによって何を表現したいのだろうか...
『手紙』~過ぎ去りしあなたへ 想い出のあなたへ~
内省的トータル・アルバム『深海』の中でも、重要な役割を占めていた切ないバラード。アコースティック・ギターのシンプルなアルペジオに乗せ、愛する人へ送る“手紙”の形式で、喪失の悲しみが綴られている。アルバム冒頭のこの曲が結末であり、以降の曲によって解き明かされていく構成となっている。
『ありふれたLove Story ~男女問題はいつも面倒だ~』そして恋は途切れた
ハイクオリティな都市型ポップスのイメージから脱却し、内省的なロック世界に突入した作品『深海』に収録されたナンバー。70年代ロック風、アナログ感たっぷりの音に、美化されない男女の恋愛物語が綴られている。
『Mirror』~鏡となり 傍に立ち あなたを映し続けよう~
ダークな曲が多い『深海』で唯一、手放しで明るさを感じる。フォークソング調のアナログなサウンドで3分と短め。やわらかな音色が心地よい“単純明解な Love Song”
『Making songs』
インストゥルメンタル。数曲のデモ音源を断片的に繋いだトラック。当時、桜井が持ち歩いていたテープレコーダーに収録されたデモ音源を再現したとのこと。最後に「名もなき詩」の弾き語りが入り、次曲に繋がる。
『名もなき詩』~愛はきっと奪うでも 与えるでもなくて~
それまでの寸分の狂いもない高品質なポップス世界から一転して、粗々しい70年代ロック的なサウンドに転換。以後のミスチル・サウンドを決定づけた記念碑的名曲。桜井和寿の愛に関する考察の鋭さに度肝を抜かれる。
『So Let’s Get Truth』~やがて矛盾を知り苦悩したり試行錯誤する~
アコースティック・ギターとハーモニカによる弾き語りがメインだが、演奏前に足音やドアを閉める音が入り、曲が終わるとサイレンの音と共に次曲へ移る。
『マシンガンをぶっ放せ』~僕が生きている事に意味はない~
アルバム『深海』レコーディング時に作られていながら収録されなかったという意味で、“Mr.Children Bootleg”というサブ・タイトルがついているマキシ・シングルがある。これを聴くと、桜井和寿の詩人としての素晴らしさをあらためて感じることができる。
『虜』~虜となって天国へと昇ろうか~
すごくピュアな曲はもう書けないじゃないですか。「そんなの嘘だ、不倫してんじゃん!」って。そのつっこまれる前に、そのぐちゃぐちゃを吐き出してやろうっていう。
『花 -Mémento-Mori-』~笑って咲く花になろう~
より多くの人に聴いてもらいたいというメンバーの希望で、シングル盤では500円で販売され、アコースティックで地味な曲ながら大ヒットを記録。シンプルなメロディに乗せたヘヴィな言葉が胸に突き刺さる。2022年ユーキャンCMソング。
『深海』~今じゃ死にゆくことにさえ憧れるのさ~
アウトロは深海から浮き上がってくるようにも、さらに深くまで沈もうとするようにも聴こえる水の音が入って終わる。ほんとにもう、いつも「死にたい、死にたい」っつう感じでした。