I

ねぇ、この曲聴いたときさ、最初の一言で心つかまれなかった?

つかまれたどころじゃないよ!『これで終わりにしよう』って始まる曲なんて聞いたことないって。
まだトラック1だよ!? って心の中で全力で突っ込んじゃった。

わかる~。前のアルバムの雰囲気とは全然違っててさ、いきなり暗い深海に引きずり込まれる感じだった。

そうそう。なんかさ、主人公の“I”がすごく不安定で…
聞いてるこっちが『大丈夫?話聞こうか?』って言いたくなるレベル。

なんか嫌なことあったんじゃないかって本気で心配になるよね。歌詞も思考回路がギザギザしてる感じで。

うんうん。あとさ、気のせいかもしれないけど『ー』とか『一』とか、線っぽい文字多くない?

あー!思った!曲名が “I” だから? 意図的なのか、偶然なのか…気になる。

それにしても、最後の“ I ”連呼するアウトロ… あれ心臓えぐられる。

ほんと。それまで冷静に聴けてたのに、あそこきた瞬間、息止まった。

叫んでるっていうより、飲み込めない感情が漏れてるみたいでさ…こっちまで胸が苦しくなる。

こういう曲ってさ、好きとか嫌いじゃなくて、刺さるかどうかなんだよね。

うん。しかも刺さったあと、抜けない。
擬態

ねぇ、2曲目入った瞬間びっくりしなかった?

した!あの暗く沈んだ1曲目から一気に風が吹き抜けたみたいな爽やかイントロ!
“え?同じアルバム!?“って思ったよ。

そうそう。なんか、洗濯機の脱水終わったあとに外の青空見たみたいな気持ちになる。

例えクセ強いけどわかる(笑) でも歌詞は軽くないんだよね。むしろめっちゃ刺さる。

うんうん。歌詞、音楽ってより文学だよね。文章で読んでも成立しそう。

特にCメロ……あそこ鳥肌立った。
幸せって金額じゃ測れないとか、弱さやハンディ=不幸って誰が決めたのっていうあの問いかけ。

そう!なんか、講義でも説教でもなくて、ふっと肩叩かれて“ねえ、気づいてる?”って言われる感じ。

わかる~。優しいのに鋭い。刺さるのに痛くない…いやちょっと痛いか(笑)

あとさ、歌詞の“~できるのに”“~になれるのに”っていう未達成のもどかしさ、共通してるよね。

うん。でもなんでだろうね、絶望っていうより“まだ続く旅”って感じなんだよね。不思議と前向き。

でさ、サビの“海じゃなくてアスファルト跳ねるトビウオ”ってやつ。

あれ何……考えれば考えるほど混乱する(笑)

普通なら飛べる場所じゃないのに、それでもジャンプする感じが…なんか人間っぽい。

生きづらい世界でも、“生きたい”とか“変わりたい”ってもがく姿、みたいな?

そうそう。痛々しいけど、尊いんだよね。

でさ、ジャケットのあのザトウクジラ!!どーーんって。

そう!それに比べたらトビウオなんてちっちゃいじゃん。でもさ、それが多分意味あるんだよね。

うん。クジラは象徴、完成された力強さ。トビウオは途中の存在。
“擬態”ってタイトルも含めて、まだどこに属するか悩んでる状態の象徴みたい。

つまり…クジラは理想。トビウオは今の自分。

言ったね!?急に深くなったね!?

いやだってさ、この曲聴いてたら、自分もまだ跳ねられる気がするんだよ。

わかる。痛くても、格好悪くても、ジャンプしていいって言われてる気がする。
HOWL

ねぇ、3曲目入った瞬間テンション上がったでしょ?

上がった!“HO〜WL!”のあの叫び!あれもう反則。聴いた瞬間、背筋がビシッとする感じ。

疾走感すごいよね。バイクで夜の高速走ってるみたいな。

わかる!でさ、HOWLってどういう意味か気になってたんだけど…
調べたら『遠吠え』とか『叫び』って意味なんだって。

うわ、それ曲の雰囲気と完璧に合ってるじゃん…!自分の奥の本音が外に漏れる感じ。

歌詞もリアルだよね。仕事疲れた社会人の週末って感じ。

お酒飲んで、バイク乗って、嫌なこと全部風に流してくみたいな。虚しさじゃなくて、“生きてる実感”寄りのやつ。

そうそう。1曲目の“I”が精神的に不安定で溺れそうなのに対して、この主人公はちゃんと周りが見えてる。

うん、冷静だよね。“叫んでる”のに、迷ってない感じ。

客観視できてるし、自暴自棄じゃないのがキュッとくる。

あとさ、歌詞で“夢見なきゃつまんない”ってよくある言葉なのに、この曲だと妙に説得力あるんだよね。

そう、夢っていう“完成形”じゃなくて、そこに向かってる途中の泥だらけのプロセスすら楽しもうとしてる感じ。

うんうん。叶ってない夢に向かう途中なのに、そこで腐らず“それでも走るぜ”って言ってるのがカッコいいんだよ。

なんか、聴いてると“疲れててもまだ行けるかも”って思えてくる。

わかる。遠吠えしてるのに、負けた顔してないんだよね。

ねぇ……一緒に叫ぶ準備できた?

もちろん。次流れたら全力で“HO〜WL!!”だよ。
I'm talking about Lovin'

4曲目さ、タイトルからしてなんかウキウキしない?

する〜!“I’m talking about Lovin’”って、『僕は“愛すること”について話してる』って感じの意味だよね。

わぁ、タイトルからもう片思いの匂いがぷんぷんする…!

曲調も楽しいし前曲からいい流れだよね。

うん、これは完全に“好きが止まらない人”のラブソングだよね。
まだ恋人じゃないけど、好きすぎて言葉がこぼれてく感じ。

そうそう、“僕しか出てこない”ってとこがまた良くてさ。
相手の存在が大きすぎて、視界に僕しかいないみたいな。

わかる、それ恋してる人の脳内テンションだよね。

でも歌詞の言葉選び、改めて面白いよね。

うん!韻がめっちゃ気持ちいい。
リミットとチケット、本能と翻弄、Friend と The END…耳が喜んでる。

タイトルに“SENSE”ってついてただけあるわ。センスで遊んでる感じ。

で、サビが全部英語なのびっくりした。ミスチルでは珍しいよね。

そうそう。なんか日本語だと恥ずかしすぎて言えないこと、英語なら勢いで言えちゃう感じ?

うん、それめっちゃリアル。“I like you”や“I love you”って最後のストレートが全部を持っていく。

でもさ、その手前までの迷いとか不安とか、“どうしよどうしよ…でも好き…”って揺れてるのもちゃんと歌詞に出てて可愛い。

あ〜わかる。大人の片思いってより、青春の延長線上の“好き”だよね。眩しい。

結末は語られてないけど、告白してほしいなぁ。

うん。あのサビの勢いのまま行け!って背中押したくなる。

……もしこの曲の主人公が友達だったら、絶対言うよね。

どんな風に?

“もういいから告れ。今すぐ行け。“って。
365日

5曲目きたよ、ついに……“365日”。

やばい、イントロだけで心が柔らかくなるやつ……。
CMで聴いた人も多いだろうけど、アルバムの流れで聴くと破壊力が違うよね。

ほんとそれ。さっきまで英語で片思い爆発してた曲とはまた違う、しっとり大人の愛。

タイトルもすごいよね。“一年間全部”。もう言葉だけで覚悟と愛情の重さが伝わる。

なんか“たまに愛してる”じゃなくて、“毎日ちゃんと、継続して、深く愛してる”って感じだよね。

うん。特別な日だけじゃ足りないって歌詞の世界観がすでに尊い。

サビのキャンドルのとこもいいよね。

ね。普通キャンドル→誕生日→一年に一度、って連想するじゃん。
でもさ、この曲では逆なんだよね。

そう。“特別な日だから愛を伝える”んじゃなくて、“そんな限定じゃ足りない、毎日伝えたいんだよ”っていう……エモすぎん?

静かに泣かせてくるタイプの愛情だよね。

あとさ、2番の歌詞めっちゃ綺麗じゃない?

うん、それわかる!雪が降り注ぐ街の描写がもう映画なんよ。淡くて切なくて幻想的。

しかもさ、“365日”と“砂漠の~”って韻踏んでるって気づいたとき震えた。

sanbyakuとsabaku!あれ知った瞬間、鳥肌立ったよね。仕掛け方がおしゃれすぎ。

この曲って、ただのラブソングじゃなくて“成熟した愛”なんだよね。

うん、情熱だけじゃなくて覚悟、継続、願い、全部柔らかい毛布で包んだみたいな愛。

あと裏話聞いてさらに好きになった。

“365日”っていう絶対的な名曲があるからこそ、他の曲で実験できたって話でしょ?

そうそう。1曲目の『I』とか今まで挑戦してこなかった作風も、“これがあるなら大丈夫”って支えになったって。

なんかその話聞くと、この曲がアルバムの“心臓”みたいに思える。

ねぇ……最後に一言言わせて。

なに。

“365日好きでいられる人間がいる世界、最高。”

それな!!!!
ロックンロールは生きている

はいきた、6曲目。“ロックンロールは生きている”。

いやさぁ……“365日”で心がふにゃふにゃになったところに、いきなりドーン!って爆音。
感情ジェットコースターすぎ。

わかる!もう椅子から立ち上がりたくなる感じ。
ここから第二章始まります〜って宣言されてるみたい。

イントロからエネルギーすごいよね。“黙ってられるか!”って曲が言ってくる(笑)

でさ、この曲ってただ音が激しいだけじゃなくてさ、メッセージ強いよね。

うん。“ロックンロール=叫びたい衝動、心の奥に押し込めた何か”みたいな。

そうそう。誰の中にもあって、それを生かすか殺すかは自分だぞって突きつけてくる。

めっちゃ背中押してくるよね。優しくじゃなくて、“お前できるだろ?行け!”ってタイプ。

あとさ、この曲ってミスチル自身に向けてる感じするよね。

めっちゃ思った!HOMEとSUPERMARKET FANTASYのあの優しい雰囲気の流れから……

そう。多分“俺らまだロックバンドだぞ!”って確認してるみたいな。

その自己紹介をあえてこのタイミングでやってくるの、痺れる。

ライブver聴いた?

もちろん!!!むしろライブでこそ完成する曲よ!

わかるー!アレンジえぐいよね。盛り上がり方が尋常じゃない。

しかも30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランスでも演奏されたも最高。

でさ、アウトロ……気づいた瞬間泣きそうになった。

だよね!?あの電子音からの波の音……

ファンなら確実に気づく“深海”の1曲目『DIVE』のメロディー……!

15年以上離れた作品同士で海が繋がるとか何その物語性……エモすぎて呼吸止まる。
ロザリータ

ねぇ、7曲目“ロザリータ”来た瞬間さ…

わかる、空気変わりすぎて思わず『え、ここで失恋!?』って言ったもん。

だよね。さっきまで“愛してるー!”とか“毎日伝えたい!”ってラブラブモードだったのに…
突然冷水ぶっかけられた感じ。

アルバムの感情ジェットコースター、ほんと油断ならん(笑)

でもさ、この曲の主人公…めちゃくちゃ未練タラタラじゃない?

うん。もう忘れたいのに忘れられない、思い出が呪いみたいに残ってる感じ。

しかも、元恋人の名前を歌詞で直接言わないで“ロザリータ”って匿名に変える理由を歌の中で説明するところ、あれメタすぎて好き。

そうそう。“名前出したら生々しすぎるからさ…”って、歌の中で照れてるみたいで可愛いけど…めっちゃ痛い。

そしてさ、呼びすぎじゃない?ロザリータ。

そう!サビで“ロザリータ 僕のロザリータ”って何回言うのよって思うけど……

でもあれ、多分本人が忘れたくないからだよね。

名前呼ぶたびに、“まだ終わってない”“まだ繋がってる”って自分に言い聞かせてる感じ。

そうそう、“もう会えない”って認めたら崩れるから、名前の中に希望残してるんだよ。

なんか、片思いの痛みと失恋の痛みって似てるけど違うじゃん?

うん。片思いは“得られなかった痛み”で、失恋は“一度あったものを失くした痛み”だからね。

この曲は完全に後者。しかも立ち直る途中でもなく、ただ彷徨ってる状態。

でもね、失恋ソングなのにメロディーが妙に気持ちよくて、

わかる~!その矛盾がまた良いのよ。
蒼

さぁ……8曲目。“蒼”。

……空気、急に静まるよね。音が暗いとかじゃなくて、“温度が下がる”って感じ。

収録曲で一番短いのに、存在感デカすぎるやつ。

うん。この曲だけ空気が濃い。呼吸ゆっくりになる。

てかさ、“蒼”って漢字にした意味よ。

そう!普通の“青”じゃなくて“蒼”なんだよね。

色じゃなくて、“心の色”って感じ。浅くない、澄んでない、深い青。

そう、夜明け前の空とか、海の底みたいな。希望あるのか無いのかわからない濃度の色。

歌詞の主人公、頑張ってるのに報われないっていう現実めちゃくちゃ刺さる。

うん。“努力は報われる”なんて言葉が時々遠く感じる時あるじゃん。

ある。すごくある。

でもちゃんと諦めてるわけじゃないのがこの曲のすごいとこなんだよね。

そう!最後の“それでもまだ手を伸ばし続ける”って一言が救い。

あそこでもう泣きそうになる。静かなんだけど、叫んでるよね。心の奥で。

あとこの曲、具体的な状況が歌われてないからこそ……

めっちゃ自己投影できる。

そう。“あ、これ私のことじゃん”って勝手に当てはめちゃう。

傷具体じゃなくて抽象だからこそ、いろんな人が抱えてる“痛みの名前”に近いんだよね。

そう考えるとさ、このアルバムの主人公って……幸せそうな人あんまりいないよね。

そう。恋してる人も、夢追ってる人も、報われない人も、みんな何かしら戦ってる。

日常に疲れてたり、迷ってたり、折れそうだったり……でも生きてるって感じ。

で……最後の口笛。

……あれ反則だよね。綺麗なのに、切なくて、余韻が刺さる。

泣きながら空見上げて歩いてる人の背中が見える気がする。
fanfare

はい来ました!!“fanfare”!!!

もうイントロで立ち上がっちゃうやつ!!テンション爆上がり!!

前曲“蒼”でしんみりしてた心が一気に引っ張り上げられる感じすごくない?

ギャップの暴力。でも必要な暴力。(笑)

てかさ、1行目の“悔やんだって後の祭り もう昨日に手を振ろう”これ絶対“蒼”に向けてるよね?

うんうん。完全に繋がってる。
“落ち込んだって意味ない。止まるな。行くぞ。”って感じ。

2曲でひとつの物語だよね。アルバムでしかできない配置。天才か。

で、この曲ライブ初披露の映像さ……

言わないで、あれ語るだけで泣ける。

会場の歓声が一気に跳ね上がる瞬間、まるで“解放”だよね。

そうなの!新曲なのにみんなすぐ身体で反応してるのがエモすぎる。

そしてさ、ONE PIECEの映画主題歌。

はい、そこ語らなきゃ終われない。

最後のシーンで曲が入るタイミングが神すぎて鳥肌えぐかった。

映像と音楽のシンクロ率100%。感情崩壊不可避。

ONE PIECE人気がさらに爆発したの、マジでこの曲の力あると思う。

わかる。曲が作品の世界観と完全に噛み合ってたもん。

歌詞も航海モチーフになっててさ。

人生=冒険、前に進むしかない、仲間いる、それでも荒波くる、でも行く。
まさにワンピ、まさにSENSE、まさにミスチル。

海ってこのアルバムのテーマだよね。
孤独の海、迷いの海、そして希望の海。

この曲聴くとさ、なんかわかんないけど“できる!”って思っちゃうんだよ。

そう。根拠ない自信が湧く曲。
いやそれがロックで、音楽で、ファンファーレなんだよね。
ハル

ついに来たね、“ハル”。

うん、アルバム後半の空気がガラッと柔らかくなる瞬間。

最初聴いたときさ、なんかふわ〜って心がほぐれる感じしなかった?

した!温かいお茶飲んだときみたいな安心感。

音が細くて繊細なんだけど、そのぶん刺さらなくて包まれる感じなんだよね。

わかる。癒しってこういう曲のための言葉だよって思った。

歌詞の描写もすごいリアルだよね。

ね、ファンタジーじゃなくて“カーテン”とか“信号機”とか日常にあるものばかり。

そうそう。それが逆に心に入ってくるんだよね。“自分の周りにもある景色だな”って思えるから。

でさ、この曲の主人公って何かに疲れてたんだよね。

うん。迷ってたり、悩んでたり、足踏みしてた人。

でも春の風とか、自然とか、光に触れたらふっと肩の力が抜けるんだよね。

“理由ないけど大丈夫な気がする日”ってあるじゃん?あれだよね。

このアルバムさ、ずっと心の葛藤とか孤独とか痛みが描かれてきたじゃん。

そうそう。みんな戦ってた。

“ハル”って、その戦ってきた人たちに一旦呼吸をくれる曲って感じ。

それすごいわかる。“走り続けなくていいよ、立ち止まって風浴びなよ”みたいな。

しかもさ、“春”じゃなくて“ハル”ってカタカナにしてるの良くない?

うんうん、季節だけじゃなくて、心が晴れる“晴る”とか、芽が“張る”とか、なんか意味含んでそうだよね。
Prelude

ついに来たね…“Prelude”。

来ちゃったね…。なんかもうタイトル見ただけで胸がきゅーってなる。

まずさ、“Prelude(プレリュード)”って前奏曲って意味でしょ?

うん。でもさ、ただの“前置き”じゃなくて“ここから始まる壮大な物語の入口”って感じなのよ。

それそれ!曲名からしてすでに泣かせにくる。

この曲、fanfareのあとに来るのずるいよね。

そう。fanfareが“よし!走れ!跳べ!”って背中押してくれるなら、Preludeは“うん、しんどかったね。でも大丈夫。一緒に行こ?”って手を差し伸べてくれる感じ。

寄り添い方の種類が違うんだよね。強く引っ張るんじゃなくて、隣に並んでくれるタイプ。

でさ、この曲のすごいところ言っていい?

うん、知ってるけど言って。

過去曲の記憶が歌詞の中に散りばめられてるところ!!!

わかる!!“光の射す方へ”のワード出た瞬間、鳥肌立った。

そうそう!昔から聴いてきたファンには刺さりまくり。

まるで“これまでの君も間違ってないし、そのすべてが今へ繋がってる”って言われてるみたいなんだよね。

でさ、この曲が“前奏曲”ってタイトルってことはさ…

うん…それもう、“終わりじゃない、ここが新しい出発だよ”って宣言じゃん。

そうなのよ!!!あんだけ積み上げてきて、まだ“ここから始まる”って言い切るのヤバい。

もうその精神がロックだし希望でしかない。

そうなのよ!!!あんだけ積み上げてきて、まだ“ここから始まる”って言い切るのヤバい。

Against All GRAVITYのライブで演奏されたとき覚えてる?

覚えてるどころか、あれ思い出すだけで泣ける。

間奏のアレンジがまた最高でさぁ。そこに桜井さんのあのMC乗るじゃん?

うん…あの瞬間、曲じゃなくて“メッセージ”になってた。

ねえ、この曲一言でまとめるなら?

……“優しい始まりの宣言”。

もうそれだけで泣ける。
Forever

ついに…最後の曲。“Forever”。

うん…名前聞くだけで静かに涙腺くるやつ。

まずさ、あのイントロのピアノ。

わかる。あれもう“音”じゃなくて“空気”。

そうそう。部屋に光がさして、埃がゆっくり舞ってる感じ…映画みたいなんだよね。

で、歌詞の始まりがいきなりソファで寝転ぶ僕っていう、あのリアルな描写。

うん。舞台がステージじゃなくて、生活なんだよね。

しかも永遠を信じてたはずの恋が終わって、その“永遠”という言葉を疑うところから始まるのがもう…刺さる。

でもさ、この曲の“Forever”ってそういう永遠の愛とか情熱じゃないんだよね。

そう。“永遠はない”って視点から始まってる。

そこで終わらないのがすごいんだよ。

そう!失恋ソングなのに、めちゃくちゃ前向き。

だって“永遠がないなら、今のどうしようもないこの気持ちも永遠じゃない”って気づくんだもん。

その発想の転換だけで救われる人多いよね。
でさ、間奏ヤバくない?

うん、あれは音楽というより“時間の層”だよ。

懐中時計の針の音、携帯のボタンの音…あの数字入力のピッピッって音!

あったねー!懐かしいのよすべて。ラジオの周波数のザザッってやつも。

過ぎた時代の音が重ねられてるの、あれ象徴なんだよね。

そう、“過去に戻れない”っていう切なさと、“時間は進むしかない”っていう現実。

で、あのシャウト。

ああぁあーーーってやつね。

1曲目『I』のシャウトが衝動なら、この曲のは喪失と解放。

うん、ほんと対になってる。アルバムの最初と最後が会話してるみたい。

で、最後の歌詞よ。

『僕らの周りに いくつもの愛がいつもあったよ』ね。

もうね、それ聞いた瞬間、ただの失恋じゃなくなる。

うん。“愛を失った話”じゃなくて、“愛を知れた時間を振り返る物語”になる。

SENSEってアルバム、通して聴いてやっと意味が完成するタイプだよね。

そう。1曲ずつの物語が全部繋がってて、Foreverで“答え”出して終わる。

しかもライブ演出がまた完璧なんだよ…

そう、曲が終わって、静まり返ったあとにロゴがドーンって出るじゃん?

うん、あの瞬間、“あぁ終わったんだ…”って実感くるよね。


