Dive

Diveさ、いきなり歌なしってところでもう構えちゃうよね

わかる。最初の波の音と、何かがドボンって落ちた音…あれ絶対人飛び込んでるでしょ

しかもさ、ただの海じゃなくて、どんどん深いところに引きずり込まれてく感じ

深海ってタイトルとジャケット、そのまんま体感させにくるよね。空気が重い

でも不思議と怖すぎないんだよね。暗いんだけど、静かで落ち着いてて

うん、深海の静けさっていうか、人の気配が消えた世界みたい

人が踏み込んじゃいけない聖域に入っちゃった感じする

どこか厳かで、でも歓迎されてるわけじゃないのがまたさ…

誘われてるっていうより、問答無用で連れて行かれる感覚
シーラカンス

Diveから途切れなく始まるの、やっぱずるいよね
もう流れで完全に深海に引きずり込まれる

わかる。いきなりかっけー!ってなるし、
まだ潜ってる最中なのに、次のゾーンに来た感じがする

シーラカンスって生きた化石って呼ばれてるよね
今さら感すごい存在

だから前半の「まだ生きてるの?」「まだ夢見るの?」って問いかけが、
まだ諦めてなかったんだ、みたいで結構冷たい

曲調も暗いし、歌い方も投げやりだから余計に刺さる
「何の意味も何の価値もないさ」はさすがに言い過ぎって思った

でもCメロから一気に変わるよね
海流に飲み込まれて、すごい勢いで流されてく映像が浮かぶ

シーラカンスって結局、比喩なんだなって

最後に「僕や君の心の中にもいる」って言われて、
消えきれない感情とか、諦めきれなかった夢のことだってわかる

この曲単体でも重いけど、
アルバム最後まで聴くと、この存在の意味がもっとはっきりしてくる気がする

最初は突き放してたのに、
だんだん目が離せなくなっていく感じも含めてね
手紙

あれ、この曲も前の曲のアウトロと繋がってる!

もしかしてアルバム全部で一曲なの?コンセプトアルバムってやつ?おしゃれすぎ

ね。歌い出しの「過ぎ去りしあなたへ」でもう手紙だってわかる

しかも、ですます調なのが本当に手紙読んでるみたいで、距離感が生々しい

離れ離れになった、昔好きだった人に宛てて、
そのまま気持ちを綴ってる感じするよね

言葉遣いも古風で、丁寧すぎるのが逆につらい

夏と秋を過ぎて、今が春って言ってるから、
季節一周してるんだよね。最低でも一年会ってない

後悔してるのが痛いほど伝わるのに、
「もう一度会いたい」って言わないのがリアル

もう相手は別の人生を生きてるって、ちゃんと分かってる
完全に諦めてる感じが、余計に胸にくる

これ、たぶん手紙は書き出したけど、結局出せなかったんだろうね

うん。気持ちだけ綴って、そっとしまったままの手紙って感じ
ありふれたLove Story ~男女問題はいつも面倒だ~

4曲目ね。ありふれたラブストーリー〜男女問題はいつも面倒だ。タイトル長っ

ね、しかもイントロなしでいきなり始まるから一瞬びっくりした

若い社会人の男女が出会って、付き合って、マンションで一緒に暮らし始めるっていう、めちゃくちゃ現実的な話

前の3曲と比べると一気に生活感あるよね。1996年の曲とはいえ、普通に今っぽく感じる

歌詞が映画みたいに時系列で進んでいくのも印象的
一曲の中で出会いから別れまで描き切るから、スピード感すごいし、気づいたら終わってる

結局別れるんだけど、「恋は途切れた」って表現がさっぱりしてていい
未練よりも、まあそういうこともあるよね、みたいな距離感

「いつも面倒だ」って言ってるあたり、こういう恋を何度も経験してきた人なんだろうなって思う

あとメロディ。階段みたいに一音ずつ上がっていく感じ、地味だけど癖になる
Mirror

5曲目はMirror。これもラブソングだね
正直、この曲めっちゃ好き

私も。アルバム全体ダークで固めてくるのかと思ったら、ちゃんと明るい曲もあるの嬉しい

最初のサビさ、ラブしか言ってなくない?
数えたら19回もラブって言ってて笑った

どんだけ好きなんだよってなるよね
2番も同じ感じで、君のために曲作るくらい好きだよって、かなりストレート

単純明快なラブソングって自分で言ってるし、
ああ、この曲はこういう感じで最後まで行くんだなって思うじゃん

でも3番で急に裏切ってくる
彼女だって悩むし落ち込むし、しかも「絶望の淵」って重い表現が出てきた

ただ元気ないとかじゃなくて、かなり深いところまで沈んでる感じだよね
普段はそういう姿を見せないから、主人公も気づくの遅れたんだろうなって

恋は盲目って言うけど、この主人公はちゃんと相手の内面まで考えようとしてるのがいい

最後のサビの歌詞、ほんとすごい「あなたが誰で、何のために生きてるか、その謎が解けるように 鏡になってそばで映し続けよう」ってさ

これって、答えを与えるんじゃなくて、相手が自分自身を理解できるように支えるってことだと思う
無理に引っ張り上げるんじゃなくて、そばにいて見失わないようにする感じ

最初ラブ連呼してて語彙力大丈夫かってちょっと心配したのに
まさかここまで辿り着くとは思わなかった

しかもMirrorってタイトルの意味まで最後に回収するの、構成が完璧すぎる
Making songs

6曲目はMaking Songs
これさ、どういうこと?曲作りの途中の音源、そのまま入れちゃってるってこと?

完成形じゃなくて、ほんと制作の現場を覗いてる感じ
ちょっとふざけて高い声出したり、笑ってたりしてて、楽しそうなのはすごく伝わる

深海の流れの中で急にこれ来るの、びっくりするけど嫌じゃない

途中でカチャってボタン押すみたいな音するよね
再生とか、次のトラックに送る音っぽい

当時ってカセットテープとかに録ってたのかな
1990年代ってCDまだなかった時代?

私たちはまだ生まれてないから、想像でしかないけど

でもさ、こういう未完成でラフな空気をあえて入れるの、
作品としてすごく勇気ある気がする

裏側を見せられて、次の曲がどう来るのか逆に気になっちゃう
名もなき詩

七曲目は名もなき詩。
ここで、きた!アルバム聴く前から知ってる曲だよね。超有名だし、最近でもCMで流れてる

わかる。イントロ鳴った瞬間「これか!」ってなる

アルバムだと、前のMaking Songsの最後で一節歌ってて、さあ出来たから本物を聴いてくれ、って流れになってるのもいい

私さ、この曲で一番好きなの「僕だってそうなんだ」のところなんだよね

え、そこ?もっと有名なフレーズいっぱいあるじゃん
早口のとことか、「愛はきっと奪うでも与えるでもなくて気がつけばそこにあるもの」とか

でも前にテレビで桜井さんが言ってたんだ
Mr.Childrenは、これを伝えたいんだって

どういうこと?

つまりね、いつも音楽で悩んでたり辛かったりする人たちを励ましてくれるミスチルだけど、聴き手である私たちと同じだってこと

ああ…一緒に悩んで、一緒に生きてるってことか
共感、なんだね

そうそう。それ聞いてから「僕だってそうなんだ」が刺さりまくって

なるほど…それは深い
私もそこ、好きになった
So Let's Get Truth

8曲目はSo Let’s Get Truth
タイトルどういう意味?

直訳すると「さあ、真実を手に入れよう」「本当のことを言おうぜ」みたいな感じかな
ちょっと煽るような、行動を促すニュアンス

曲自体はかなりカオス
最初の革靴でカツカツ地面蹴る音とか、車のトランクかドア閉めるみたいな音、妙に生々しい

で、ギター叩いてリズム取って歌い出すのがまた変
背後でずっと英語の話し声聞こえるから、路上というかストリート感あるよね

スタジオっていうより、外の世界に放り出された感じ
だから余計に不思議な空気

歌詞もさ、社会に不満抱えてる若者って印象
怒りとかフラストレーションを、歌にして吐き出してる感じする

しかもそれを日本じゃなくて、海外っぽい場所でやってるのが意味深
自分の居場所がない感じもするし、世界に向かって叫んでるみたい

最後の、まばらな拍手とパトカーのサイレンが近づいてくる音で終わるのも衝撃
歓迎されたのか、排除されたのか、どっちとも取れる

こんな終わり方の曲、ほんと初めて聴いた
気持ちよくもならないし、スッキリもしないのに、強烈に残る
臨時ニュース

9曲目は臨時ニュース。
いきなり日本や海外のニュース番組が流れてきて、え?ってなる

たった16秒なのに、音楽聴いてたはずが急にラジオに切り替わった感覚あるよね

で、次の10曲目マシンガンをぶっ放せが「あのニュースキャスターが人類を代弁して喋る」って歌詞から始まるからもうこの2曲、完全にセット

PrintingとDance Dance Danceとか、Diveとシーラカンスみたいに
トラックは分かれてるけど、単体じゃなく流れで聴く前提って感じする
マシンガンをぶっ放せ

そしてマシンガンをぶっ放せ、かなり過激
まず「愛にしゃぶりついたんさい」って何?ってなる

これは広島弁だね。「〜しんさい」は「〜しなさい」
「しゃぶりつく」「すがりつく」は、必死に頼る・依存するって意味

つまり「愛に必死でしがみつけ」みたいな、かなり強い言い方

なるほど…優しい言葉じゃないね
歌詞全体も攻撃的で、Mirror歌ってた人と同一人物とは思えない

しかも普通に「コンドーム」とか言うし、当時としては相当尖ってる

このアルバム、桜井さんが精神的にかなり追い込まれてた時期に作ったって聞いて
まだ26歳くらいだったんだよね

今のライブでの優しくて励ましてくれるイメージと全然違う
でも、だからこそこのアルバム全体に暗さと張りつめた感じがあるんだなって納得する

前半は恋愛の曲が続いてたのに、
So Let’s Get Truthからのこの3トラック、一気に社会に牙向いてきた感じ

深海の奥まで潜った結果、
個人の恋から、世界そのものへの怒りに行き着いたみたい
ゆりかごのある丘から

11曲目はゆりかごのある丘から。
うわ、この曲もすごい…8分超えって、ミスチルの中でもかなり長いよね

長いのに、途中でだれるどころか、どんどん引き込まれるのが怖い

ゆりかごのある丘で彼女とよく遊んでたけど、
戦争に行ってる間に縁が切れて、今は一人でその丘に来てるって話でしょ

「切なさがギュッと胸をしめつける曲」

あ、今の歌詞引用したでしょ

うん。でもほんとにその通りでさ
聴き終わったあと、この男の人の気持ちを自分が体験したみたいな錯覚した

この曲にも「手紙」って出てくるのが印象的
アルバム序盤の手紙と重なるよね

「君はもう違う誰かの腕の中」って情景、
表現は違うけど、同じ出来事を別の視点から見てる感じする

時系列的には、こっちが先なんだよね
実は彼女のほうが先に手紙を書いてた、みたいな

「戦場に行っている間」って歌詞もさ
この曲では戦争の時代っぽいけど、仕事に追われて大事なものを見失うって意味なら、今にも普通に通じる

結局、かけがえのないものに気づくのって、
いつも失ったあとなんだよね…

イントロとアウトロのヘリコプターの音も意味深
真上を飛んでる感じするし、海で遭難した人探してるんじゃないかって思った

で、最後に「シーラカンス」って何度も歌うでしょ
あそこで気づいた、この曲の「僕」って、最初のシーラカンスを探してた人と同一人物なんだって

アルバム全体が、ここで一気に一本につながった感じした
虜

12曲目は虜。
終わりが近づいてきた感じするよね

ゆりかごのある丘から、その切ない雰囲気のまま終わらずに
急に盛り上がって、その勢いのまま始まるのがもうずるい

で、内容は思いっきり不倫
全然褒められる恋でも、純粋な話でもない

男だけが悪い、みたいな曲は割とあるけど
これ、彼女側も普通に問題ある描かれ方してるの珍しいよね

しかも女性ボーカルあり
ミスチルでこのパターン、かなりレア

歌詞さ、僕は「本当の俺をわかってくれない」とか
結構うだうだ言ってる

一方で彼女は彼氏と別れたがってるし、
友人からは「クセがある」って言われてる

それを「最新の君」って言い換えてるの、都合よすぎない?
自分では相手の本心が見えてなくて、親友に言われてやっと気づく感じ

でもたぶん、そこまで深く考えてないんだろうね
繊細なこととか、まあいいやって流してそう

でさ、サビで何度も出てくる
take me to Heaven give me your love

和訳すると「天国へ連れていって」
「君の愛をちょうだい」って意味だね

もうそれだけなんだよね
善悪とか、立場とか、後先とか関係なくて

これがすべて、これだけ叶えば他はどうでもいい
そんな欲望むき出しの感じ

アルバム終盤でこれ持ってくるの、ほんと容赦ない
花 - Memento-Mori -

13曲目は花 ‐Memento-Mori‐
残るはあと2曲、てかMemento-Moriって何?ってなるよね

ラテン語で「死を忘れるな」「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」って意味なんだって

重っ…でもこの曲でその言葉知った人多そう

私もこれで覚えたw

曲自体はさ、このアルバムの中で唯一と言っていいくらい
前向きで、背中押してくれる応援ソングだよね

わかる。元気出るし、優しい
ため息って言葉から始まるのに、不思議と暗くならない

サビの「風を集めて空に放つよ」って
ため息と原理的には同じ“吐く”なのに、真逆の意味

ため息は下に吐くけど、これは上に向けて放つ感じ
「自分に迷うときは」のあとに来るから、迷いを外に逃がすイメージ

Cメロでちょっと激しくなるのもいいよね
精神が乱れて、内側の欲望が制御できなくなりそうな感じ

でも全体的にはとにかく優しい
「なんとなくね」とか「そっと祈るだけ」とか、言葉が柔らかい

この主人公、好きだなって思う
無理に強くなれって言わない

「負けないように 枯れないように 笑って咲く花になろう」も好き
深海みたいな暗い状況でも、心の中で育てて咲かせるってことだよね

私は2番のサビもすごく好き。「等身大の自分だって きっと愛せるから」

人と比べて劣っててもいいし、背伸びしなくていい
今は自分のこと嫌いでも、嫌なとこばっか見えてても

いつか、そのままの自分を受け入れられる日が来るって
その言葉がもう救い

うん…この曲の言葉、噛み締めながら生きていきたいよね
深海

いよいよ最後、「深海」。
タイトル曲だし、ここまで聴いてきたから期待値がもう限界

冒頭の歌詞から強いよね
「僕の心の奥深く 深海で君の影揺れる」って

この「君の影」、やっぱりシーラカンスのことじゃない?って思った
ずっと探して、追いかけてきた存在

「これから君は何処へ進化むんだい これから君は何処へ向かうんだい」
この問いかけもさ、シーラカンスに向けてだよね

2曲目の「シーラカンス」では「まだ生きてるの?」って、ちょっと突き放した感じだったし
「何の意味も価値もないさ」って吐き捨ててたのにここでは完全に違う

目を離せなくなってるし、気にしてるし、追いかけてる

忘れたかったはずの過去の夢とか、理想とか
心の奥に沈めた“生きていた頃の自分”みたいにも思える

美しい間奏のあとに来る「連れてってくれないか 連れ戻してくれないか 僕を 僕も」
この繰り返しがもう…

必死に頼み込んでるよね
自分ではもうどうにもできなくて、委ねてる感じ

ちょっと情けなさもあるけど、
これは全部“僕の心の中”の話で、逃げ場もない

私はこれ、もう一度、シーラカンスがはっきり生きていた頃
つまり、自分がちゃんと夢を持ってた頃に戻りたいって切実な願いだと思った

アウトロがDiveと同じ水中の音なのもエモすぎる
また深海にいるのか、それとも…

空気の泡の音もするし、泳いでるみたいにも聞こえる
海面に向かってるのかなって想像しちゃう

沈んだまま終わるのか、浮かび上がるのか
はっきり答えを出さないのが、このアルバムらしい

他のみんなこのアルバム聴いて、
シーラカンスをどう受け取ったんだろうね

それぞれ違う解釈になりそう
私、友達にもこれ勧めて語り合いたくなった

