I MISS YOU

あのさ、1曲目の『I MISS YOU』聴いた瞬間さ、なんか胸の奥がギュッって掴まれなかった?

わかる。あれ、ただのラブソングじゃないよね。むしろ恋愛の“miss you”って言葉借りて、別の何か言ってる感じ。

そうそう。言葉自体はすごいシンプルなのに、装飾ゼロで、感情だけ生々しく置かれてるっていうか…
“あ、桜井さん今これ本気で言ってるんだな”って分かるやつ。

しかも声よ。力強くもないし弱々しくもないのに、絞り出すみたいに何回も“miss you”って繰り返すじゃん。あれ聴いてるとなんか呼吸止まる。

そう!あの繰り返しって、誰かじゃなくて自分とか音楽とか、続けてきたもの全部に向けてる感じしない?

うん。30年間ミスチルやってきて、作り続けて、それでも‘何でまだ歌うんだろう’って問いながら歌ってる感じ。

てかそれもうかっこよすぎん?迷ってるのに止まれない感じ。
一音だけ裏声になるとことか、あれズルい。刺さる。

ね。なんか薄暗い空間で独り言みたいに歌ってるのに、聴いてるこっちは勝手に心の奥覗かれてる気がするんだよね。

――あぁ、ミスチルってやっぱりかっこいい。
Fifty’s map ~おとなの地図

じゃあ次、**『Fifty’s map ~おとなの地図』**なんだけどさ…タイトル見た瞬間、え、50歳の地図?ってなるよね。

そうそう!なんか可愛いようで刺さるタイトル。
で、歌詞聴くとさ、あぁこれ桜井さん自分の人生まるごと歌ってるやつだ…って気づくのよ。

わかる。しかも変に飾ってないじゃん。
“完璧に見せなきゃ”とか“求められるクオリティに応えなきゃ”とか、そういう葛藤めっちゃ言葉の中にある。

そうなの!なんか私たちでも思うことあるじゃん、歳とか関係なく。
自信なくてもあるふりしなきゃいけない時とか。

そう。それがさ、国民的バンドのフロントマンが50歳越えてまだ思ってるっていうのが逆に救い。
“あ、あの人でもそうなんだ”って。

ミスチルって今までさ、こっちの気持ち代弁してくれるタイプだったじゃん?
“わかるよ、頑張れよ”って肩叩いてくれるような曲。

うん。でもこの曲は逆だよね。桜井さんが自分の弱さとか迷いを共有してるって感じ。

そう!なんか、こっちが聴くっていうより、隣で小声で打ち明け話してくれてる感覚。

で、50歳の地図って言い方さ、めちゃくちゃかっこよくない?
人生半分来て、でもまだ先があるってちゃんと描いてる感じ。

うん。今まで歩いてきた道も、これからの道もさ、全部ちゃんと歌にしてるのがすごい。
なんか人生丸ごとアート。
青いリンゴ

はいはい次〜 『青いリンゴ』。タイトルかわいくない?
なんかもうこの時点で爽やか確定って感じ。

わかる。でさ、青いリンゴって熟れてない象徴じゃん?
まだ“完成”してない、途中の存在っていうか。

そうなのに、冒頭でいきなり腐ったリンゴを捨てる描写なのエグくない?
かわいい名前なのに、始まりだけ妙にリアルでちょっとビビった。

ね。でもそこが逆に意味深じゃない?
“腐るくらい置いてたもの”=過去の価値観とかプライドとかさ。そういうの全部捨てて、また青い状態から始めよ?みたいな。

それ聞いて、ああ、ミスチルまだ“終わり”じゃなくてこれからも未熟のまま進む気なんだなって思った。

てかその宣言が50代でできるのがもうかっこ良すぎる。
普通さ、年齢重ねたら“完成してます”感出ちゃうじゃん?

うん。でもあえて“青いまんまです”って言うの、謙遜とかじゃなくて覚悟だよね。

でさ、曲自体もほんとリンゴ食べた時みたいな感じじゃん。
シャキッとしてて軽くて、でも甘酸っぱくて爽やか。

そうそう、歌詞と曲調がちゃんとリンクしてるのが好き。
このアルバム、重たいテーマ扱ってんのに曲は意外と軽やかなんだよね。

しかもさ、**『また季節は巡る』**のとこめっちゃ印象残る。
同じこと繰り返してるようで、ほんとはちゃんと変わってるっていうあの感じ。

うん、人生ループしてるようでちゃんと成長してるよね、みたいな。
それが青いリンゴの意味なんだと思う。
Are you sleeping well without me?

次は 『Are you sleeping well without me?』 ね。
いきなり英語タイトルでさ、思わず『急に洋楽感~!』ってなったんだけど。

わかる!でも意味考えたらめっちゃ切ないやつじゃん。
『僕がいなくてもちゃんと眠れてる?』って、別れた相手にそれ聞くって…余韻引きずりすぎ。

そうなのよ。歌詞少ないのに情景だけめっちゃ鮮明。
なんか、広い部屋でひとり、コーヒー冷めてって、夜明けて…っていうあの孤独な空気。

でさ、またコーヒー出てくるのほんと気になる。前曲の『青いリンゴ』でもそうだったじゃん?
コーヒー=日常とか、変わらない生活みたいな象徴なのかな。

うんうん。あとさ、急に**“明け方にエチュードを弾く”**って出てくるの、ズルくない?
急に“ミュージシャンの現実”をそのまま落としてくる感じ。

そう、それでまた桜井さん本人の影が見えるんだよね。
この曲も恋愛の歌という形を借りた、実は自分の歌なんじゃないかって思っちゃう。

てかさ、前曲めちゃ明るくて爽やかだったのに、ここで急に陰りくるの情緒ジェットコースターすぎ。

わかる!
“あれ?このアルバム、次どこに連れてかれるん?”ってドキドキしはじめるポイントここだよね。

しかも歌詞短いから余白が多くて、逆に想像させられるし、静かに心の奥刺してくる。

この曲、なんか夜にひとりで聴くとやばい気がする。
考えたくないこと勝手に浮かんできそう。

そうそう。“寝れてる?”ってほんとは自分に聞いてる気すんの。
LOST

もうさ、イントロ入った瞬間、空気変わるよね。
わかる??あの、“あ、これ名曲だ”って直感で分かるやつ。

わかる。てか、あの曲4分ないの意味わからん。
濃度がアルバム1曲分じゃなくて感情そのまま詰めた“原液”って感じ。

そう、それ。展開とか余計なもの全部削いで、いきなりサビくるじゃん?
なんか曲というより叫びなんだけど、めちゃくちゃ整理されてるのすごい。

タイトルのLOSTも潔くて好き。
意味としては“失った”とか“喪失”とかなんだけど…その単語で全部伝わるのがズルい。

歌詞だけ見るとさ、めっちゃネガティブなんよ。
“昔掴んだ光も、放った光も、もう消えた”って、普通に言ったら悲しすぎ。

なのに何あのかっこよさ。
弱音なのに強く聞こえるのなんなん?武士?ロック?いや桜井さん。

しかもさ、光って言葉出てきた瞬間、私も思った。
“あ、過去の栄光のことだ…”って。

だよね!!
もうさ、ミスチル現象の時代とか、シングル出せば全部ミリオンとか、あの時代の輝きよ。

で、それですら時間が経てば薄れていくし、奪われる。
それを認めるという事実がもう歌詞以上に衝撃なんよ。

今までのミスチルならさ、“でもそれでも歩こう”とか“未来へ続く”とかさ、最後救い投げてくれてたじゃん?

そうそう。だから今回も絶対その展開来ると思った。
そしたらまさかのラストが——

“また今日も立ち尽くしている。”

いやその余韻。心臓に残ったまま終わるのずるい。
救わないのに聴き手が勝手に意味見つけちゃうタイプの曲。
アート=神の見えざる手

はい…次来ましたね、『アート=神の見えざる手』。
いやさ、タイトル見た時点で“普通じゃ終わらないぞ”って匂いはしてたけど…

予想の100倍変態で最高だった。

ほんとそれ!!!もうね、曲じゃなくて事件。
“名曲→衝撃作”の落差で脳バグった。

てか歌詞からしてもうアウトライン越えすぎてて笑っちゃった。ピー音入る曲久しぶりに聞いたよね。
“どこに刃当ててんのwww”って思った。

普段アルバムって“流し聴きしてるうちに染みてくる曲”あるじゃん?
これは流せない。“構えて聴く曲”。

ていうかここまでくるとさ、もう“歌”じゃなくてパフォーマンスだよね。
初見で理解するの無理。何回か聴いてやっと“あ、これヤバい作品だ”って腑に落ちる。

でさ、ライブバージョンの破壊力よ。

やばい。あれはもう宗教儀式。映えるとかじゃなくて燃える。
全員引きずられて踊らされるやつ。

わかる。CD音源だけ聴いた人、半分しか味わえてない。
ライブで完成するタイプの曲。あれはステージが本体。

でさ、思わない?
なんかこの曲、90年代の狂気が帰ってきた感じ。

来たね。『深海』とか『ボレロ』とか、あの頃の尖り。
でも今回はそこに50代の知性とバケモノみたいな表現力が乗ってるから、もうレベルが違う。

ほんとそれ。“これ同じ人が『Sign』とか『抱きしめたい』作ったの?”ってなる。
別グループって言われたら信じる。
雨の日のパレード

よし、次は 『雨の日のパレード』 ね。
てかここでやっと折り返しってヤバくない?13曲入りって最近のミスチルでは珍しいよね。

ほんとそれ。しかも序盤から濃すぎて、内臓えぐられて、感情シェイクされて、ここでようやく優しい休符きた感じ。

うん、もうこの曲、入った瞬間ふぅ……ってなる。
“はい、一旦座って深呼吸してね”って言われてるみたい。

で、内容よ。パレードの日に雨降るってさ、一見最悪な展開なのに、歌詞ではそれが**“忘れられない特別になる”**って話になるのエモすぎん?

そう!人生あるあるだよね。
当時は“最悪!”って思ったことが、時間経つと笑って話せる宝物になるやつ。

あとさ、歌詞の言葉選びめっちゃ柔らかい。
“子供にみぞおち蹴られる”とか、突然くる生活感のユルさめっちゃ好き。

わかる。あれがあるから、ファンタジーじゃなくてリアルな日常の優しさとして入ってくるんだよね。

てかさ、私はここの歌詞にめっちゃ救われた。

どこ?

『不安ひとつない そんな人いない』。
これ聞いた瞬間、“あぁ……そうだよね”って泣きそうになった。

うわわかる。
なんか“強い人”“完璧な人”“成功した人”って、不安ないように見えるじゃん?

うん。でも桜井さん自身がそれ歌ってるんだよ?
“俺だって不安あるよ”って。その事実だけで人の心溶ける。

そうなんよ。だからこの曲って慰めじゃなくて寄り添い。
上からじゃなくて横で歩いてくれる歌。

前半のカオスと攻撃性のあとにこれ来るの、配置天才すぎ。
もう完全に感情のペース握られてる。

このアルバムほんと映画みたい。
シーン変わるたびに景色も色も気持ちも変わる。
Party is over

さぁ来ました後半戦、『Party is over』。
タイトルからしてもう切ないやつじゃん。

わかる。パーティーってさ、始まる前と最中は最高なのに、終わった瞬間の静けさエグいよね。
帰り道ふっと現実戻る感じ。

そうそう、“あ、楽しい時間終わっちゃったんだ…”って、余韻と寂しさが一緒に襲ってくるあの現象そのまま曲になってる感じ。

でさ、**“is over”**ってほんとに“終わった”なんだけど、なんか“終わり宣告”みたいな、余韻すら斬り落とす冷たさあるよね。

昔憧れてた理想とか、若さとか、輝きとか、全部手放してるってことなんだと思う。

うわ重い。でも美しい。
なんかこの曲、大人の哀愁ってこういうことか…って気づかせてくる。

うんうん。歌詞も言い回しが独特で、物語なのにリアル。言葉の距離感が絶妙なんだよね。

しかも曲調もゆったりしてて、感情より風景が先に思い浮かぶ。
夜の街灯とか、湿った空気とか、誰もいない帰り道とか。

で、内容解釈するとさ、
過去=輝いてたParty
現在=そのあと訪れた静寂
でも
未来=まだ胸の奥でくすぶる炎

その構図が曲そのものになってるのすごくない?

“もう終わった”って言いながら、消しきれない情熱とか希望が残ってる。
それが火の描写なんだよね。

ギター燃やすとかさ、燻る炎とか、温かな火とか、火に関する言葉多いのはその象徴だと思う。

うん。派手な炎じゃなくて、静かに燃え続ける大人の火。
そういう強さ。

この曲、声を張らないのに熱が伝わるのずるい。
なんか聴けば聴くほど味出るタイプ。

そう、派手じゃないけど刺さる。
パーティーが終わったあとにしか見えない景色ってあるんだよね。
We have no time

次は 『We have no time』 ね。
タイトル直訳したら本当にそのまま、“私たちには時間がない” で合ってると思う。

もうその時点で焦りと切迫感すごいよね。
で曲始まった瞬間、テンポ感がガッ!てくるから身体勝手に動く。

そうそう!ノリたいのに歌詞聴いたら胸ザワザワするという感情迷子曲。
ライブで絶対爆上がりするやつ。

でもね、テーマは前曲の『Party is over』と似てる気がする。
終わりを認めつつ、でもまだ捨てきれてない情熱。音がさ、ほんと炎。燃えてる音。

わかる。あのギターとかドラム、音じゃなくて勢いで来る。
“燃え尽きたくないんだろ?”って言ってるみたい。

でね、歌詞の視点おもしろいよね。
1番に登場するのが、演奏してる側でも、スタッフでも、ファンでもなく、
その状況をただ見てる客観的な1人の人間ってのが刺さる。

うん。その時点で“憧れと距離感”が描かれてる気がする。
ステージに立てなかった誰か。
でも会場まで来ちゃうくらい音楽が好きな誰か。

そう、でその人、昔バンドやってたんじゃない?てか今もやってんのかもしれない。
でも時間が経って、若くない、無限じゃない。だからこそ出る言葉が——we have no time。

これめちゃ重いサビだよね。
夢を見られないんじゃなくて、夢を追うことに躊躇しはじめた年齢の気持ち…
そのリアルさ。

普通のロックバンドなら“まだいける!やれ!”って背中押す方が多いのに、この曲は逆。

そうそう。『やりたい。でも怖い。でもまだ諦めたくない。でも時間がない。』
この矛盾まるごと曲にしてるのすごい。

そしてそれが前曲と地続きってのも泣ける。
“楽しい時間は終わった。でもまだ心が騒いでる。”

うん。
この曲はね、挑戦する前の勇気じゃなくて、一歩踏み出す前の震えを歌ってる曲だと思う。
ケモノミチ

はいきた、ケモノミチ!!

うわその言い方だけで曲の勢い思い出した。
もう開始数秒で殴られるみたいな迫力あるよね。

わかる。なんか“理屈じゃなくて心のまま走れ!”って言われてるみたい。
しかもさ、曲の雰囲気がQの『NOT FOUND』感あるよね?あの荒削りなのに繊細な感じ。

それ思った!
でタイトルがもう意味深すぎて、現代で“獣道”なんて踏まないじゃん。
舗装された道で、正解もマニュアルも社会が用意してくれてる。

そうなのにこの曲は、『昔あったはずの本能的なルールは忘れ去られ、
代わりに複雑な社会ルールが増えた』
って視点から始まるの、もうズルい。

最初から社会に問いかけてくる曲って珍しいよね。
“え、こっちが試されてる!?”みたいな。

でさ、1番のサビ急にくるじゃん。

**『誰にSOSを送ろう』**ね。

そう。今までのmiss youって桜井さんの心情が“じわぁ…”って滲む形だったのに、
ここでいきなり**“助けて”**って言葉に変わるの衝撃なんだよ。

しかも“鼓膜で食らうロックンロール”って表現えぐくない?
感じる音楽じゃなくて体で殴られる音楽って宣言してるみたい。

で!ここ!私めっちゃ好きなところ!

はいはい、わかるよ。2番ね?

そう。1番はSOSだったのに、
2番で突然——

**『君にLove Songを送ろう』**になる!!

そう!!救いを求めてた人が、社会のルールとか役割とか、難しくて息が詰まるようなものなんてどうでもいい。
ケモノミチを歩いて、僕はただ君に愛を歌いたいだけだって。

これ聞いたあとさ、胸の奥めっちゃ熱くならない?

なる。
なんか洗練された大人の曲なのに、中に衝動と叫びがずっと生きてるの感じる。

うん。
静かに燃える曲もいいけど、こういう暴れる曲が入ってくるとアルバムが呼吸する感じする。
黄昏と積み木

はい11曲目〜!黄昏と積み木。

タイトルだけで雰囲気あるよね。
“積み木”ってすごい幼い感じなのに、“黄昏”って大人の夕暮れみたいで…その組み合わせがもうエモい。

わかる。なんか一気にアート映画の音楽みたいになるよね。
で、前曲のケモノミチで全身燃やされたあとの、この曲の入り…

冷たい風みたいにスーッとくる。
完全にクールダウン。

曲調も歌詞も柔らかいよね。
ケモノミチが“社会に牙むいて生きる衝動”だったのに、
これは“生活の中の愛と満足”。

そうそう。なんか大きな夢とか理想とか追い求めるんじゃなくて、
**“今あるこの生活を宝物にする”**って哲学。

しかも歌詞がさ、もう染みる。
**“欲張らないでいれば人生は意外と楽しい”**って、言われた瞬間肩の力抜けるよね。

うん。なんか、成功とか競争とかSNS映えとか、そういうの追うより、
ただ隣にいる人と暮らしてる時間が幸せって認められる強さ。

で!!これ気になってたんだけど、
miss youツアーで演奏されてない曲なんだよね。

そう。
ほぼアルバム順でライブやって、会場全体燃やして、泣かせて、揺らしてって構成なのに、
この曲だけそっと置いてある感じ。

ね。なんか“ライブじゃなくて、日常の中で聴かれる曲”なんだよ。

うん。盛り上がりとか演出じゃなくて、帰り道、夜の部屋、ひとりコーヒー飲んでる時間、そういう場所で染み込むタイプ。

アルバムの中盤〜終盤にこの静けさ入れるの天才じゃない?

天才。
miss youって感情の波が激しいアルバムなのに、ここは穏やかな湖みたい。

でさ、曲全体のテーマまとめるとこうだよね。

夢や理想を追う人生もいいけど、君と暮らす毎日の中で見つけた幸せは、それと同じくらい尊くて満たされてる。

……いや好き。派手じゃないのに忘れられない曲。
こういう曲書けるのがMr.Childrenの強みだよね。“激しさ”と“優しさ”の両立。

そう。
そしてそれがアルバムの後半でくる意味がある。

残り2曲、心の準備して聴かないとね。

うん。終わりが近づく感じも切ない。
deja-vu

はい!12曲目!deja-vu(デジャヴ)!

読めた!!フランス語だよね?
意味は“前にも経験した気がする感覚”みたいなやつだよね?

そうそう!“既視感”とか“夢で見たことある気がする”みたいなやつ。
で、冒頭の歌詞がまさにそのテーマだからもうドンピシャ。

この曲さ、3分弱なのに存在感すごい。
短いけど濃い。だけど重くない。

うん、むしろふっと風みたいに心に触れる曲だよね。
さらっとしてるのにちゃんと残る。

でね、黄昏と積み木と並んでライブ未演奏ってとこ気になるよね。

わかる。なんかこの2曲、“アルバムの中の静かな部屋専用曲”って感じ。

そうそう。
ライブの熱気じゃなくて、家の小さな灯りの下でひとりで聴くやつ。

あと歌い方!!

そう!!これ!!桜井さんの声めっちゃ柔らかい。
もうさ、“歌う”ってよりそっと触れてくる感じ。

『アート=神の見えざる手』の狂気テンションと同じ人とは思えんよねw

ほんとそれ。
“Mr.Childrenの多面性ここで最大化してます”って感じ。

で、歌詞がまたいいんだわ。

**『僕なんかを見つけてくれてありがとう』**ね。

これ刺さる。“好きでいてくれてありがとう”じゃなくて、
まず“見つけてくれて”っていう始まりがもう…優しい。

うん、自分に自信がある人の言葉じゃなくて、
誰かに照らされて初めて世界が明るくなった人の告白。

ロマンチックすぎる…
てか語彙の選び方が既存のラブソングと違うんだよね。媚びてもないし、重くもない。

そう。“静かに大事にしてる愛”って感じ。

この曲ってさ、miss youの旅路で凹んだり迷ったりしてきた“僕”が、ようやく心に降りてきて、
愛をそのまま肯定できた瞬間の曲な気がする。

……………………それめっちゃわかる。

残すはあと1曲…心の準備いるね

うん、終わっちゃうの寂しいけど……最後まで噛みしめよ。
おはよう

ついに……ラスト曲……
『おはよう』……😭😭

うん。“スーパーは歩いて行ったほうが話せるから”とか、“チーズと缶ビール”とか、豪華じゃないのに世界で一番豊かな生活に聞こえる。」
「これさ、恋愛のピークとかドラマチックじゃなくて、一緒に生きるってこういうことだよっていう歌。

曲聴いたらさらにやられる。なんてことない日常をただ描いただけなのに、それがもう幸福そのものなんだよね。

そして気づいた??
1曲目の冒頭→『眠れない夜』
ラスト→『おはよう』
じゃん。

そう。
ミスチル、これアルバム全体でひとつの1日=人生にしてる説あるよね。

ループするようにできてるのエモすぎ。
また最初に戻ると『miss you…』って始まるのやばい。

でさ、後半4曲ぜんぶラブソングだったじゃん?

うんうん。“君”がいなかった孤独な前半から、
後半でようやく隣に誰かがいる音楽になってく感覚。

まじでアルバムの成長物語だよね。
君がいない(miss you)→君がいる

歌詞の“おやすみ”ってところさ、
なんか涙腺刺激するんだよね。

わかる。
派手じゃない、儚くない、むしろ普通なのに、“普通が一番尊い”って気づかされる曲。

終わったあとさ、アルバム閉じたくなるのに、
“もう一回最初から聴きたい…”ってなるの最高。

そう。終わりじゃなくて続きたくなる終わり方。
人生もさ、こう終われたら幸せなんだろうなって思う。

